1.イロハモミジ(伊呂波紅葉)
イロハカエデともいいます。京都・高雄のカエデがこの種類であったことからタカオカエデとも。
福島北部から四国、九州にわたった自生。和名は、葉の裂片を「いろはにほへと」と数えたことに由来。
2.オオモミジ(大紅葉)
九州(中部以南)本州、四国、九州に自生。庭園木としてもよく植栽されます。葉の表面は緑色、葉の裏面は胆力食で、
表裏面ともに、はじめは毛があり、のち無毛になります。各裂片に細かく揃った重鋸歯があります。
3.ハウチワカエデ(羽団扇楓)
葉が名月のように美しいことから、メイゲツカエデの別名もあります。北海道と本州の標高1000m前後の産地に自生します。
和名は、葉の形を天狗の団扇にたとえたもの。葉柄が葉幅の半分くらいであることが特徴です。
4.コハウチワカエデ(小羽団扇楓)
本州、四国、九州の低山地に広く自生。イタヤメイゲツ(板屋明月)の別名もあります。
尾根筋などの風の強い場所にも生育しますが、杉植林地などでも見られます。ハウチワケデよりも小さいことから名付けられました。
5.ヒナウチワカエデ(雛団扇楓)
和名は、ハウチカエデより繊細なため雛にたとえたことから。福島県南部から本州、四国、九州の低山地に自生。
葉は、掌状に9〜11深裂し、切れ込みの最深部に隙間があります。葉のふちにギザギザにがたつきがあります。
6.コミネカエデ(小峰楓)
本州全体から四国、九州にかけて標高1000メートル前後の高地に自生。和名はミネカエデよりも花が小さいことから。
花はぶら下がる形で咲きます。葉の裂片はふつう5つで縦に長く上の3つは先が尾状に長く伸びます。
7.カジカエデ(梶楓)
和名の由来は、葉の形がカジノキに似ていることから。また、葉のふちに荒々しい鋸歯があるので、オニモミジとも呼ばれています。
本州(宮城県以南)から四国、九州に自生。東北地方の日本海側、新潟・富山両県には見られません。
8.ミツデカエデ(三手楓)
北海道南部、本州(東北中部地方にやや多い)四国、九州中部の山地に自生。葉が3出複葉(小葉が三枚付く)であるのが特徴です。
日本に自生するカエデ類で複葉の葉を持つのは、本種とメグスリノキのみです。
9.オオイタヤメイゲツ(大板屋明月)
本州(福島以南)から四国までの定置に自生。母9〜13裂して、掌状になります。葉柄が葉幅より長いことが特徴。
「板屋」とは板葺きの屋根のように葉がよく茂り、雨水が漏れない意味といわれています。
10.オガラバナ(麻幹花)
オホーツク海で発見されたカエデ。花が穂になって咲くのでホザキカエデの名もあります。
「麻幹」とは皮を剥いだ麻の幹のことで、本種の材が柔らかく似ているため。
11.エンコウカエデ(猿猴楓)
岩手県以南の本州の太平洋側、四国、九州に自生。葉裏の主脈沿いに毛のある品種をウラゲエンコウカエデといいます。
切れ込みが大きく裂片が長く伸びるので、これを猿の手足に見立てて「猿猴」と名付けられました。
12.ホソエカエデ(細柄楓)
和名は花の柄が細いことに由来します。葉や樹皮がウリハダカエデに似ていることから、別名ホソエウリハダとも。
日本の本州(福島県以西)から四国に自生。葉は浅く3〜5裂し、裂片の先は尾状に尖ります。
13.メグスリノキ(目薬の木)
和名の由来は、樹皮や葉の煎じ汁で目を洗うと眼病に効くことから。また「長寿の木】【千里眼の木」とも呼ばれます。
本州(宮城県以南)から四国、九州にかけて標高700m前後の山中に自生します。
14.ミネカエデ(峰楓)
北海道から本州中部以北の日当りの良い高地斜面に多く自生。葉はほぼ五角形で横幅が弘樹5〜7中裂し、葉のふちに重鋸歯があります。
花が大きく上向きに咲くのが特徴です。黄葉の最盛期は10月頃ですが、北海道では9月末頃から黄葉します。
15.アサハカエデ(麻の葉楓)
別名ミヤマモミジ。福島県以南から四国まで自生し、関東北部から中部地方に最も多く見られます。
和名の由来は、葉の形が大形で、麻の葉に見えることから。葉は掌状で5〜7裂します。
16.イタヤカエデ(板屋楓)
黄葉するカエデの代表で、カエデの仲間の中では最も大きくなります。和名の由来は羽賀よく茂って重なり、
板葺きの屋根のようになるため。葉は3〜9裂し、葉のふちに鋸歯がないのが特徴です。樹液は、美味しいメイプルシロップになります。
17.ヒトツバカエデ(一葉楓)
東北地方(岩手県・秋田県以南)から近畿地方東部に自生。カエデの仲間にもかかわらず、葉に切れ込みがないのが特徴で、
一見してカエデに見えません。丸い葉の形からマルバカエデともいいます。
18.チドリノキ(千鳥の木)
本州(岩手県以南)四国、九州の谷間の水分の多い斜面に自生。東北地方の日本海側にはなく、北陸地方には少ない種。
和名の由来は翼のある果実の形を、羽を広げて群れ飛ぶ千鳥に見立てたことによります。
19.ウリカエデ(瓜楓)
和名の由来は、木の肌の模様を瓜にたとえたことから。ウリハダカエデよりも小さいことから雌に見立ててメウリノキともいいます。
東北地方南部から四国、九州、までの低い山地に自生。葉はカエデの中でも小ぶりの種です。
20.ウリハダカエデ(瓜膚楓)
本州から四国、九州までの低山の林内に自生し高さは10mほどになります。
和名の由来は、暗緑色で黒い筋がある樹皮をマクワウリにたたえたことから。葉の裂片は3〜5つで尾状に尖り、葉裏に毛があります。
21.テツカエデ(鉄楓)
東北地方(岩手県、秋田県以南)から四国、九州までの沢沿いの湿潤地などに自生。西日本には少ない種です。
葉は、幅広い五角形をなし、縁には重衛鋸歯があります。又、葉の表面がちりめん状になるのが特徴です。